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地域農業を守っていきたい

育苗農家の先駆者
明和町上村の北山恭平さん(73) はキャリア50年の農業従事者。主となる育苗ハウス13棟、全85アールのほか、露地栽培としてトウモロコシ1町、サツマイモ1町、稲作(秋冬は白菜)4反を手掛ける熟練従事者です。祖父は大工で農家の家系ではありませんでしたが、先祖代々からの土地を農地にしようと三重県農業経営大学校(現:三重県農業大学校)で学び、すぐに就農します。当初はトマトの水耕栽培を始めるも、農協やホームセンターからの需要もあり拡大を見込めると、当時この地域で誰も手掛けていなかった育苗に転換します。

多品種多品目
育苗は春野菜だけでも約60種類。ナスやピーマン、トマト、キュウリ、スイカ、タマネギなど、それぞれに品種があるため、全部で100種類以上になるとのこと。「育苗は水を絶やしてはいけないので管理が難しい」と語る北山さん。繁忙期には、一緒に仕事をしている長男夫婦だけでは追いつかず、ご近所からパートさんの応援をしてもらっているそうです。「害獣や外来種対策など、本当にやることが多くて。毎日が新しいことへの挑戦の連続で、今でも新人のつもりです」。

地域貢献活動
地元明和町の環境活動団体「むらおこし・さいくう祓川」。約20年理事を務め、4年程前から代表を務められています。農地維持活動や水路を維持管理する資源向上活動のほか、祓川沿いに菜の花や河津桜の植樹・維持管理、また、斎宮小学校の児童と共に祓川で生物調査を行っています。「自分の農地のことだけを考えていては駄目。農地や水路、川の環境整備、次世代のことも考えていかないと」と語ります。

大切な家族
早くに奥様に先立たれ、男手ひとつで一人息子を育ててきた北山さん。「今年で三十三回忌。当時は忙し過ぎて落ち込んでいる暇もなかった。それがよかったのかも」。今は長男夫婦が主となって従事しているそうで「頼もしい限りです。継いでくれたことに感謝しています」。「私は経大卒業後、3年程農機メーカーに勤め、修理等の技術を身に付けました。息子にも私と同様に農業を学ぶことと農機メーカーの道を勧め、その通りに進んでくれました」。お孫さんが3人いるそうで「まだ学生ですが、3人とも空いた時間に手伝ってくれています。孫たちが継いでくれたら嬉しいな」と笑顔の北山さん。これからもJAは、現役世代、次世代に渡って活躍する農業従事者を応援していきます。

Photo:明和町 北山恭平さん 2025.10

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