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 イチゴ生産者としての覚悟

村林論さん

 バイヤーからの転身
多気町色太のイチゴ生産者である村林諭さん(44)は令和7年1月に就農したばかりの新規就農者。実家が所有する農地にハウス8棟を自ら建設するなど順調な滑り出しのようです。地元の大学を卒業後に大手スーパーへ就職、約20年間食品売場を担当するバイヤーとして活躍されていましたが、子どもたちの成長と転勤に伴う家族での転居の頻度に悩み転職を考えます。祖父の代から兼業農家であったことや、スーパーで多くの農家さんと交流があったことなどから就農を決意。「2年くらい悩みました。家族は皆反対でしたが、農家としての収入シミュレーションを示して押し切りました」。

準備と行動たゆまぬ努力
就農を決めた村林さんの行動はとても早く、そつがない。バイヤーの経験から就農するならイチゴ生産者と決めており、まずは多気町役場に相談。サポートリーダー制度を利用し、指導役のイチゴ生産者へ1年間研修に出向き実務を学びます。JAとも研修中から関わっており、早期段階から相談や指導を受けたとのこと。また、事前に国の新規就農支援施策や助成金などの情報を得ており、ハウス建設の初期投資にも対応、研修後すぐに就農できるよう着々と準備を進めていきます。そして計画通り就農を果たします。

お客様の望むことは何か
「購入するお客様の満足度を高める工夫。そういった視点は前職の経験が活かされています」。VISONやごかつら池ふるさと村のマルシェグランマなど、JA以外の出荷先として地元の農産物直売所へ自ら販路を開拓してきた村林さん。パック詰めにも工夫がされており、袋に入れて持ち運びしやすくするなど、顧客目線を重視されています。「1パック250gの規定はやむを得ないですが、少量、大袋など顧客ニーズに対応する工夫は必要ですね」。また、期間限定でハウスの前に直売所を設けるなど、お客様とのふれあいを重視する姿勢もうかがえます。

ここからがスタート
就農から主に章姫を栽培、この地に合った、もっと美味しい品種はないだろうかと現在模索中とのこと。「就農前に悩んだ2年間、家族のこと、初期投資のこと、栽培のこと、直売所も併設するなど自分がやりたいことは何かを考え、決して無駄な時間ではなかったと思います」と語る村林さん。また「初めての収穫は感無量でした。悩んで、退職して、前に進むしかなくて、それが報われたように感じました。家族みんなが手伝ってくれたことに感謝しかありません」と穏やかな笑顔に。これからもJAは村林さんのような新規就農者を支援していきます。

Photo:多気町 村林 諭さん 2025.10

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